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×アリエナイカノジョ×
第5章 カノジョたちの一コマ
この際だから問い詰めてやる。
「アンタさぁ……あ、あのさ…もしかして……」
「ん? 何? 顔赤いけど、やっぱやきもち………」
「黙れっ」
いざ訊こうと思ったら、何だか恥ずかしくなってきた。
いきなり『男にしか興味ないの?』とか言えない。
いつもの軽口からの流れなら行けた筈なのに、身構えて構えてしまったのが敗因。
「ん?ん? なに、なに?」
ニヤッとしながら覗き込んでくる正行の顔がムカつかせてくる。
無意識の内に右手に握り拳が出来ていた。
こんな暴力的では無いはずなのに、コイツと紗英が相手だとつい手が出そうになるから困る。
「あ、あのさ…アンタ………」
「いい加減、女子達の口車に合わせるの止めろよなぁ」
アタシの言葉を遮った、薄井くんの呆れた言葉。
「何の事だろなぁ」
恍けた様子の正行に、アタシの中のモヤモヤが少し薄れた。
まだ、かなりグレーなトコはあるけど、違うだろうと思い込む事にした。