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×アリエナイカノジョ×
第6章 ホンネの一コマ
 
「じ、実は…ボクっ」

 察した。

 一段と顔を赤くさせれば、紗英じゃなくても分かる。

「今日……ずっと……」

 皆まで言わなくても大丈夫なのに。

 それでも、やはりきちんと聞いた方が良いかと薄井くんの言葉を待つ。

 待つ。

 待ってみる。

 通行人がチラッと見て過ぎ去っていく。

 言葉も待ちたいけど、流石に道のど真ん中はダメな気がしてきた。

 車に轢かれる心配は無くても、薄井くんの様子だと何時になるか分からない。

「もう……我慢のげんか………えっ?」

 相変わらずおっぱいを見詰めていた薄井くんの手を引いて歩き出す。

 ズンズン歩く後ろで戸惑ってる雰囲気を出しているけど気にしてられない。

 先導しながら兎に角足を進めていた時だった。

「あ………」

「えっ? なに?」

 立ち止まった紗英の背後からは戸惑いの声。

 でも、それを気にしている場合では無かった。
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