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第13章 別離

瞳の通夜と葬儀は、身内と会社の上司や同僚が来てくれて、ひっそりと行われた。

棺の中の瞳は、いわゆる白装束でなく、見覚えのある服を着ていた。

あの、事故の時も来ていた、薄紫色のシルクのワンピース。
ボロボロになったはずなのに…

「まだ若いのに、白装束じゃ可哀想だと、瞳の姉が持ってきてくれたんだ。」

「初めまして、順一さん。瞳の姉の晶子です。夫の仕事の関係で…8年前にアメリカに行って…今回、初めて帰国しました…」

「お義姉さん…久しぶりの対面が、こんな形になってしまって、本当に申し訳ありません…」

車椅子に座ったまま、頭を下げる。

「頭を上げてください。事故だと聞きました。私たちだけじゃない、あなたも被害者です。」

お義姉さんは、瞳によく似た顔で、でも髪型がシャープなボブカットで、それだけで印象が全く違った。

「ママ…」

「娘のアリスと息子のシュンです。この子たちも日本は初めて。」

「私たちも初めて会ったんだよ。2人とも、向こうで生まれたからね。」