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パズル
第21章 欠けたパズル
「そうじゃなくて。急に家を出て行くってなったら、きっとその友達も心配するだろ。俺が友達の立場だったら騙されてると思っちゃうよ。そこでギクシャクしたら申し訳ないし。俺が行って、名刺の一枚も渡して怪しいモンじゃないってことは説明しといたほうがいいと思う。」

「あ、そっか…そう、ですよね…私、いつまでも世話になれないって思ってたから、そこまで考えてなかった…」

「大事な友達なんだから、つまらないことでギクシャクしたくないでしょ?俺だって別に後ろ暗いところはないから、いくらでも説明するよ。それから、仕事はどうする?豊中で働いてるの?」

「十三(じゅうそう)の歯医者さんで、契約で事務してるんですけど、元々が先生の奥さんが産休取ってる間の繋ぎなんです。だから、続けてもあと数ヶ月ってトコですし、朝もゆっくりだし、夕方もだいたい17時半には上がれます。お腹が大きくなる頃には、契約切れると思うので。」

「そう。じゃ辞める必要なさそうだね。稼げるウチは稼いどいたほうがいいからね。」

「ですよね。」

「悪阻とかは、あんまり重くないの?」

「あんまりしんどくはないですよ。ありがとうございます。」

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