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パズル
第21章 欠けたパズル
その後は、他愛ない雑談をして、家の前までナビをしてもらって送り届け、その足で瞳の実家に行く。

お父さんとお母さんにも事情を説明しておかないとな。

「…亡くなった友達の恋人と…?」

さすがにお父さんもお母さんも驚いたようだ。

「成り行きといえば、成り行きなんですが、妊娠して、相手は亡くなって、フォローしてくれる家族もいなくて、1人で産んで育てる自信がないと言われれば、それは確かに酷だし、でも、彼女も家族の愛情に飢えてて、すごく、俺と似てるんです。放っておけませんでした。それに、志半ばで亡くなった親友の子供です。生かしてやりたい。その手助けができるなら、俺に出来ることは何でもしてやりたいんです。」

「再婚、とは違うのか?」

「彼女は恋人を亡くしたばかりだし、さすがにそんな提案は出来ません。もちろん、男女でひとつ屋根の下に住むわけですし、その方がとおりが良いのもわかってます。でも、即結婚ということにしなくてもいいかな、と思ってるんです。あくまでハウス・シェアリングです。幸い、お互いの部屋には内鍵も掛かりますし。」

「そうか…ま、私らの世代には理解し難いことだが、それも今の時代の流れというものなのかな…では、私たちもお役ご免というわけか…寂しくなるなぁ…」
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