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パズル
第3章 崩壊
両親の喧嘩も増えた。

父さんは、俺たちには順一がいるじゃないか、というようなことをいつも言っていて、でも母さんは、あなたに私の気持ちは分からない、と泣き叫んでいて。
双方の溝が埋まることなく、博之の葬儀から数ヶ月で、父さんが家を出て行った。

家を出るとき。
父さんが、俺に言った。

「何があろうと、お前は父さんの、息子だ。学費の援助くらいしかできないが、せっかく入った大学を辞めて働こうなんて、馬鹿なこと考えるんじゃないぞ。きちんと卒業してから就職しろ。給料の問題だけでなく、中退と卒業では、雲泥の差がある。」

父さんの、言うことは尤もだと思った。
けど、何があっても父さんの息子だ、って、どういうことだ?
何もなくても、俺たちは、親子だろう?
嫌な予感がした。

なぜ母さんは、博之が死んでからあんなになってしまった?

いや、もちろん弟の死は俺だって悲しい。けど、まるで母さんには俺が見えていないようにすら思えた。

大学に提出すると適当な嘘をついて、戸籍謄本を取り寄せてみた。
嫌な予感が、当たった。

俺の欄には
養子、と書かれていて。

博之の欄には、嫡出子、の文字と、命日と、死亡のため除籍。と書かれてあった。

俺は、両親の本当の子供ではなかった。
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