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金木犀
第3章 悪因悪果
個人的にいわせてもらうと、学校はあまり好きではない。しかしこれは個人的範囲内の意見ではなく、俺が知っている限り、学校が楽しみといっている生徒など、教師に媚を売るような奴か幸せな奴しか知らない。大体の人は学校に憂鬱な気持ちを抱いているだろう。そんなことをいっても、学校を卒業したところで同じことである。社会人もどきとして働いている今も、会社に行くのは憂鬱であり、上司に怒られたら休みたくなるものである。だが、唯一学校と違うところは、仕事を休んでしまうと、他の人にも迷惑をかけてしまうという点だろう。学生の頃は、責任など自分に返ってくるものだから、いくらでも休めたのだが、社会人になってしまうと連帯責任になってしまうのだ。今から考えてみると、学校は勉強と社会性と、毎日通うことが出来る習慣が試されていたのではないかとも思う。
まあ、会社にも行っていない俺がいうことではないのだが。
なので、いくら彼女が同じクラスになろうとも、俺は微塵も学校が楽しみだなんて思わなかった。むしろ、面倒臭さが増したくらいである。
彼女との関係を隠しきるために、必死にならなければならないと思うと、どうしてもやる気にならないのだ。
そんなことを彼女に話せるわけもなく、ただはしゃいでいる彼女のメールに、それ相応の返信しかできない俺は臆病者なのだろうか。
彼女は非常にメール好きだ。
ものすごい早さで返ってくる。
それにしたって、どうして女はこんなにもメールが好きなのだろうか。未だにガラパゴス携帯を使っている俺からいわせてみると、メールなど、打つのが面倒くさい上に、ずっと読んでいると目が痛くなるのだ。確かに活字の方が伝わりやすいとは思うのだが、長々とメールするくらいなら、電話した方がよっぽど早い。というよりは楽だ。
まあ、結局は付き合うのだけれど。
そんな感じで長い間メールが続くものだから、いつの間にか寝てしまっていることも少なくない。この日も例外ではなく、寝ぼけ眼でメールを打っていると、いつの間にか寝てしまっていた。