この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
影に抱かれて
第2章 月と太陽

「そうか……。ああリュヌ、その枝はだめだ。ほら、先にいくにつれて極端に細くなって生長点が見られないだろう? いくら待っても蕾はつかないよ」

リュヌの切羽詰まった表情を見て、伯爵は明るい声を出して話題を変えた。

それはリュヌへの気遣いかもしれなかったし、使用人の落書きのことなど主が気に留めないのも当然のことかもしれなかった。

「どれ、鋏を貸してごらん……」

着ているシャツの袖をまくり上げ、リュヌの手から鋏を取るその姿はまるで伯爵らしくない気さくさだ。

手にした薔薇の枝に鋏を入れる口もとには愉しそうな笑みまで浮かんでいて……その端正な横顔はジュールにそっくりだった。

「私が若い頃は何とか家を建て直そうと必死だったんだよ。やれることは何でもやろうとした。植物の研究も……。ここの薔薇は香りが良いと評判だったからね。だから、庭仕事はお手の物だ」

/183ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ