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獣欲の檻
第8章 リナのそれから
抱き上げられる事に慣れたリナは、その頼りになる腕に…その男に抱きついた。



「…どうした。」


「なんか…安心する。」


「そうか?頼れて力になってくれる相手は、俺じゃないと思うが。」



そう苦笑したその男の言葉に、含みがあって不安になるが、ぐっと抱き上げられると、リナは男にしがみ付き身を委ねた。



ずっとこの人とこう出来たらいいのに。
お風呂場までの距離がもっと長かったらいいのに。


そう思いながら、リナは数分の時間を過ごした。


嫌な時間は長いのに、心地いい時間はあっという間に過ぎる。
実際短い時間だったが、それが本当に一瞬に感じたリナは、悪夢の様な10時間をどれほど長く感じたかは例えようがなかった。
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