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獣欲の檻
第3章 子供の値段
エレベーターエントランスのソファに座る3人の元に男の後ろを歩くリナが帰って来た。


「お姉ちゃん。」


ココとルルミは、帰りの遅いリナを心配していたのだ。ギュッと抱きつくと離れない。ルルミを抱っこして、ココの背中を撫でると、2人は少し安心して手の力を緩めた。


「ちょっと分かってるの?!」


「分かってるよ!!」


母が小声で怒ると、男は苦笑していた。リナは男が言っていた事が本当だと分かり、逃げなくてはと思ったのだ。ギュッと2人を抱える手に力が入った。


これまでずっと我慢をして来たが、親に売られると分かった途端、我慢をする理由がなくなったのだ。
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