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獣欲の檻
第3章 子供の値段
母がエレベーターのボタンを押した時に、親子の情も縁の切れたのだ。あの日、娘じゃなく男に縋り付いた時点で母には『女の嫉妬』しか、いだいてはいなかったのだが…。


「ココ!着いて来て!!」


リナはココの手を強く握ると、ルルミを強く抱きしめて、出口に向かって走った。いきなり引っ張られたココは態勢を崩すモノも、必死に着いて行こうとする。


「ココ!!」


「クソガキ!!」


が、5歳の子を抱きかかえ、7歳の子供の手を引く12歳の少女では直ぐに捕まってしまう。

リナがココの手を強く握っていたため、反対側のココの手を母に掴まれて、逆に引っ張られたのだ。
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