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第5章 スタート

「苦しんで苦しんで…私達に謝り、許しをこいながら死んで行った証拠が欲しい。」



強い眼差しを向けると、ヤクザの男はクスクスと笑だし、そのまま大きく笑い出した。



「こりゃ凄い娘だ！裏稼業に持って来いの性格だ。ウチに嫁に貰っってやる。」


「それは嬉しい褒め言葉ですな！」



旦那はのらりくらりと話をかわした。人身売買の斡旋業では、要望にすぐに応えるのが鉄則だ。全てタイミングの業界だから。でも、まだリナを手放す訳にはいかないのだ。

仕入れた手前、ココとルルミを一番良い状態で一番高い金額で売り飛ばすには、リナが必要なのだ。