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第5章 二十歳、ケンヤ

　こーいうタイプはおもいきり屈辱的なことをして、泣かせてやりたくなる。
　金銭の要求などは、特に書かれていなかった。掲示板への彼の投稿にも、プロフにも。
　おとなしい女の子をいじめるのが好き。いじめられたい願望がある人は、メッセージください。
　そんなようなことが書かれているだけだ。

「次はこの子だな」

　あたしはＭなふりをして、メッセージを送ってみた。
　いつものように、簡単な自己紹介とラインのIDを載せて。
　向こうからのお返事は来なかった。このサイトでは。
　変わりにラインでメッセージがきた。
　こんばんは。お姉さん年上ですよね？　こんな年下にいじめられたい願望があるんですか？　変態なの？
　ラインでのメッセージはこんなようなことが書かれていて、本当に、文面からも生意気そうな感じがものすごくする。多少カチンと来たけれど、この子を釣るため乗ってあげることにした。
　年下に恥ずかしいこといっぱいされていじめられたいんです。
　そんな内容でラインを送る。次のメッセージは通話を誘ってくるものだった。本当に、ずいぶん積極的な子。