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出会い系体験談~秘密の調教日記~
第7章 十九歳、ワタル
「その態度、俺を舐めてんのか」
口調が変わる。
「なんでおまえのようなやつが事務を選んだんだ。ろくに文字も打てないような馬鹿は、現場で働け。礼節も学ばなかったのか?」
あと一行。
「聞いてるのか? 猿みたいに聞こえないふりか? おい、人の話はちゃんと聞け。こっちを見ろ」
上書き保存。
「この役立たず! 仕事もできない礼儀もしらない、おまえのようなのをクズって言うんだよっ! おい聞けっ! いい加減に……」
シャットダウン。
ようやく終わった。
あたしはディスプレイが消えるのも待たずに椅子を引いて立ち上がった。禿げ頭の声が止む。
かばんを持って振り返る。顔は見なかった。
唾を吐きかけてやりたい衝動を押し込め、挨拶だけ。
「お疲れ様です。お先に失礼します」
「……っ」
禿げ頭は何か言いかけて止まる。他の事務員たちの視線に気付き、口をつぐんだ。
ねちねちと嫌みを垂れ流していた口調は徐々にエスカレートし、最後はもう暴言だった。
そりゃ、注目の的にもなるだろう。