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出会い系体験談~秘密の調教日記~
第3章 十九歳、イツキ

 首を振って、必死に否定するイツキくん。恥ずかしそうに目を伏せて、唇を噛んでいた。

「だーめ。せっかくつけたリップが落ちちゃう」

 イツキくんは、はっとしたように唇を噛むのをやめた。無意識だったらしい。

「可愛いねえ、本当に」

 反応の一つ一つが初々しくて。

「ドリンク何飲む? 取ってきてあげる」
「え? あ、ありがとうございます。えっと……、炭酸ならなんでも」

 頷いて、席を立った。イツキくんの横を通る際、体をかがめて耳打ちする。

「斜め後ろの席に座ってるカップル、きっとイツキくんの女装に気付いてるよ? いやらしい目でちらちら見てるもん。……視姦、されちゃってるね?」

 適当に言った嘘だった。改めて意識してしまったのか、イツキくんの体が再びはねる。
 あたしはドリンクバーのコーナーに行った。自分の分はお茶、イツキくんにはメロンソーダを注いで持っていく。

「どーぞ」

 そっとテーブルにグラスを置いて、その手でイツキくんの首に触れた。一瞬だけ。

「あ……」

 汗ばんだ肌と、小さな小さな吐息。
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