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ドラスティックな恋をして
第4章 会いに・・行こう
掃除を済ませ、早めの昼食を食べて、
まだ降り続く雨を恨めしく仰ぎ見ながら家を出た。
電車を一度乗り換えて、御茶ノ水駅に着いた時には多少小降りになってきていた。
店に入ると、天気の悪さが影響してか、客はまばらにしかいなかった。
階段で2階まで上がり、奥にあるアコースティックギターのコーナーへと進んでいくと、
ギターを弾く音が聞こえてきた。
音の出どころは、期待通りあの男だった。
依子は、少しの間遠巻きに男の演奏を聴いた。
この曲・・アランフェス協奏曲、だっけ。
フォークギターでも弾けるのね・・
この前聞いたのは日本の人気ギタリストの曲だった・・
この人、いろんな曲弾くのね・・
ギターの音色に耳を傾けながら突っ立っていると、
後ろからすいませんと野太い男の声がした。
どうやら邪魔になっていたらしい。
「あ、ごめんなさい!」と依子が上げた甲高い声に、男は気づいて顔をあげた。
「あれ、この前の熟女さんじゃない」