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ドラスティックな恋をして
第6章 夫という現実
あっという間の3日間だった。
「楽しかっただろう?もっとちょくちょく来ればいいじゃないか」
新幹線の改札の前で、悟志は依子に荷物を手渡した。
行きよりも重みを増しているのは、悟志が詰め込んだ土産のせいだ。
お隣の農家からいただいた漬物や野菜は宅配で送ってくれることになっているのだが、
悟志の働く道の駅で売っている人気のジャムは、帰ったらすぐにでも食べてもらいたいと
持たせてくれたものだ。
ジャムの瓶3つは結構な重さを増すが、夫の気持ちを思うと
頑張って持ち帰るしかないなと依子は明るいため息をつき、荷物に加えた。
「また来るから。あなたも体に気を付けてよ」
一人改札を通り抜け、見送る夫に手を振る。
新幹線に乗り込むとキオスクで買っておいた缶ビールをさっそくあけた。
次第に流れの早くなる窓の外をぼんやりと眺めながら、この3日間を振り返る。