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ドラスティックな恋をして
第7章 はじまり・・
・・なんで上野なのよ?・・
昌宏から指定された待ち合わせ場所は、上野駅の公園側の改札前。
いつも人でごったがえしているこの場所を選んだという事は、
上野公園あたりに目当てのものでもあるのだろうか。
相変わらずの混雑ぶりに眉をしかめながら、
幾重にも重なる人の波を覗くようにして昌宏を探すと、わりとすぐに見つけられた。
昌宏もすぐに依子に気づき、軽く手を振りながら近づいてきた。
「こんにちは。案外すぐに見つけられたね」
麻のシャツの袖をまくりながら早々に歩き出す昌宏の後を、慌ててついていく。
「あ、ちょっと待ってよ!」
その自然な文句は再び懐かしさを呼び起こした。
まるで昔からの友だちみたいだと。