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ドラスティックな恋をして
第7章 はじまり・・
「ねぇ、オレ腹減っちゃった。依子さん昼飯は?食べたの?」

「え?食べましたよ。だって2時の待ち合わせだっていうから
 てっきりお昼は済ませてるんだと思って」

「そっか、じゃああそこでちょっと休憩しようよ」

指差す先には、焼きそばやソフトクリームに群がる人々で賑わう売店があった。

・・こういうのでいいんだ・・

少しイメージと違う、と依子は目を見開いた。

屋台にも似た大雑把さがある動物園の売店で
お腹を満たそうというタイプの男には見えなかった。
どこか気取りがあって、きちんとしたテーブルについてしか食事をしないんじゃないかと
勝手に思い込んでいた。

いや・・
もしかしたらそれは、自分自身なのかもしれない、と依子は一瞬下を向いた。

圭輔を連れてこの動物園に来た時だって、自分が作ったお弁当しか食べさせなかった。
別に売店の食べ物を信用できないわけではない。
ただ、手をかけて作った食べ物のほうが食のありがたさを教えられる、そんな想いを込めて
子供を連れて遊びに行く時は必ずお弁当を作っていった。
依子はそれが自分の仕事なんだと肝に銘じていた。
専業主婦とはそういうものだ、と・・

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