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ドラスティックな恋をして
第7章 はじまり・・
少しの沈黙の間、目の前を流れる煙りの中にふと相原の顔が浮かんだ。
高校生の、制服姿の相原。
依子は口を開く前にスクッと笑いをもらして昌宏の気を引いた。
「吉本さん、さっき私と恋愛もできそうだって、言ったわよね。
それを聞いてまた思い出したの」
「また?って、なにを思いだしたの?」
「高校3年の時の同級生。相原ってヤツがいてね。
寄れば触れば言い合いばっかして。いちいち私の言う事にケチつけて。
でも卒業式の日に私のことを好きだったらしいってことがわかったの」
「へえ!よりによって卒業式の日?で、彼とはどうなったの?」
「ううん、どうもしない・・だって、本人から言われたんじゃなくて
他の男子が耳打ちしてきたんだもの。真相はわからない・・
ただ後から思えば、私も相原の事を好きだったのかなぁって・・
ほら、はじめて吉本さんと会った時も初対面なのに
けっこうバシッて言い返したでしょ、私。
その後お茶した時も吉本さんになんか懐かしさを感じてたんだけど、
少しして気づいたの、相原に似てるんだって」