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ある作家の日常
第2章 亜里紗(別居中の人妻、三十才)
 亜里紗の言葉に、武志はサドの血が騒ぐのを感じていた。


「ふうん、ホンなら。そこにすわるんや。先ずは、それからやな、亜里紗。」


 目の前の床を示しながら、武志の心の中も揺れていた。


(大丈夫かな?決心は固いと思うけど、いきなりは無理かな?えっ、しゃがんだ!)


 何度か奴隷になった女性達を見ているが、最初からは難しい女性もいたからだったが、亜里紗は武志の膝の前に座った。


(あんた、止めとき、いや、あんな恥ずかしいこと見られたし。それに、望んだんは、私やし。)


 亜里紗が武志の股間に顔を近づけ、武志の高まりに愛おしそうに頬ずりをした。
 ユックリと両手でズボンの膨らみの下の男性自身を、包み込むように持ち上げ唇を軽く触れさせた。


(いけん、あたし、迷ってる。けど、あれを、見られたし、、男の人の前で、オナニーしたん、、初めて、やし、、けど、、、)


 亜里紗の手に武志自身の硬さと逞しさを感じながら、男のズボンのジッパーに指先をかけながら、少し迷っていた。
 彼女の迷いを愛おしいと思いながら、武志は彼女にどうするか決めさせようと考えながら見ていた。


「亜里紗、躊躇ってるんだね。やりたくなければ構わないよ。その代わり、今夜はこれっきりだよ。何もなかったことにすれば良いんだから。送って行くよ。亜里紗の家まで。」


 武志は、無理強いをする気はなかった。
 亜里紗を解放して、全てをなかったことにするつもりだった。


「あの、何もなかったって、このまま帰るってことですか?そんな、、。」


 亜里紗は恨めしそうに、武志の方を見たが、何事も無かったように彼は部屋の扉を開け、彼女を送って行く支度を始めた。


「うん、亜里紗が迷っているからね。今夜は帰った方が良い。それでも、また、俺のモノになりたいなら、連絡しておいで。亜里紗の席は開けて置くからね。」


 何事もなかったことのように言う武志の態度に、亜里紗は渋々立ち上がりながら、


「あの、一晩だけ、泊めて下さい。今から帰っても、家には誰もいないんです。だから、せめて今晩だけ、泊めて下さい。お願いします。」


 思ってもみなかった亜里紗の言葉に、武志は迷いながら、


「うーん、泊めてあげてもエエけど、それでエエんかな?俺は、我慢できんで亜里紗を縛るかも知れんぞ?それでも、エエんか?」
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