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第2章 亜里紗（別居中の人妻、三十才）

　亜里紗を抱き締めながら、彼女の鼓動がドクンドクンと胸板越しに武志に伝わり、武志の鼓動もそれに応じるように高鳴り、二つの鼓動が重なり合い、一つになったように思えた。


「亜里紗、着てるものを脱ぐんや。恥ずかしいなら風呂場で待ってるけどな。出来たら目の前で見たいな。」


　彼女の中に躊躇いを感じ、敢えて武志は無理押しをしないことにしていた。
　亜里紗に決めさせることにして、ユックリと武志は着ている物を脱ぎ始めた。


（どうしよ？ここで？けど、車の中で見られてるし、、。）


　少し躊躇いがちに、亜里紗は着ている物に手をかけ、脱ぎ始めた。


（ありゃ、ふーん、覚悟をきめたんや？ドキドキやな。最後まで見てあげよう。後は、無理すなや、無理は禁物や。）


　武志は亜里紗の方を鑑賞するように見ながら、ユックリと自分の着ている物を脱ぎ終えていた。
　亜里紗が全てを脱ぎ捨て、ヴィーナスの肉体を両手で隠しながら、


「武志さん、見て下さい。恥ずかしいですけど、私、朝まで一緒に居させて下さい。」


「ふうん、シャブルンは無理やけど、裸はエエんや。オモロイな、亜里紗。行くで。」


　脱衣室の照明に照らされた亜里紗の肉体を、武志はまぶしいと感じていた。
　武志の言葉に少し傷ついた亜里紗は、


「そんな、あれは急だったから、、けど、、、。」


　武志をなじるように言いながら、心の中では彼の言う通りだと思い始めていた。


「そうかもな。けど、綺麗やな、亜里紗。行くで。」


　そう言うと、武志は亜里紗の腰を抱き、浴室へユックリと入った。
　家庭用の浴室より少し広めに作られており、浴槽も二人が肩を並べて入れる大きさだった。


「広いんですね。ビックリ。シャワー良いですか？」


「うん、どうぞ。ユックリ汗を流しなさいな。ナイスバディやな。ふふふ、お前を満足させたくなるなぁ。まっ、今夜は、そうはいかんやろけどな。」


　武志の言葉に亜里紗は少し考える風に、答えていた。


「うふっ、嬉しい。満足させられたいかな？でも、さっきのことで、私、、、。」


「さっきのはエエんや。俺が急いだからや。綺麗な肌や、亜里紗。」


　そう言いながら、武志は軽く亜里紗の腰に軽く指先を触れた。
　一瞬、亜里紗の身体がビクッとしたが彼の指先の動きを彼女は拒否せず、むしろ好ましく感じていた。