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第3章 うさぎ

来る！
きたる痛みに目を固くつむる。


「キャンッ！」


「おやおや…来た瞬間にこの状況は頂けませんねぇ。」


意図していた事とは裏腹に、フワッと良い香りがしたと思ったら若い男の人の声が聞こえた。
目を開けてみると、目の前に男性の後ろ姿。そして一匹のシルバーウルフが何故か飛ばされたようで、他の二匹が様子を伺っている。



「うーん。生態系としては必要なことなんでしょうが、見てしまった以上見過ごせませんので…… 気絶(ねむっ)て頂きましょうか。」



男の人がそう言うと先程とは比べ物にならないくらいの何ともいえない良い香りがして、そのかおりと共に私は意識を手放した。