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すべての生き物に愛を求めて
第4章 森の主
髪を結っていた手がピタリと止まる。

あ~。
やってしまいました。

うーん、どうしましょう?

一般論でかわすことも出来ますが、フレイアにはミュゼの事も話してありますし…


「えーとですね…まだ伝えてないことが2、3有りまして…」


「そちが話したく無くば無理に話すことはない。
誰しも、言いたくないことの一つや二つあるじゃろう。」


本当に…フレイアは何処までいっても素敵な方ですね。

ですが・・・


「………聞いて頂けますか。

実は私はこのラクーンとは違う世界の住人だったのです。しかし訳あって、ミュゼからこの星に使命を与えられて降り立ちました。
その為、所謂…前世の記憶があるのですが、それが…

・・・以前は女だったのです。」


「…シェンよ。それが嘘とは妾は思わぬが、よっぽどそなたも変わった生を送っておるようだのう。」


「ははっ。自分でもそう思います。
ただ、女の体ではありましたが、女性が好きだったのです。
ですが、家柄の関係で伴侶もいましたし、嫌でしたが男性と性交も行いました。
ですから、フレイアの言う男の欲望のはけ口と言うのはよくわかります。」


「なるほど、話のわかる奴とお主を快く思っていたのはそう言う事だったのじゃな。」


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