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・辿りつく 先には・
第12章 『情事』
観覧車がゆっくり降りて行く。

乱れた服を直されながらも、唇を奪われる。酸素が少なくなり、常に逝かされた身体は支えて貰わないと立つのもやっとだった。

今まで抱かれて、こんなに逝ったことがあっただろうかと考えた。

答えは否だった。

ノーマルな性行為や愛情はあったのだろうが、男性の欲望を満たす行為しかしたことがなかった。

こんなアブノーマルや、激情の炎に焼かれる様な行為を知ってしまえば隠していた被虐的なM性が全て魔王である聖に暴かれてしまいそうだった。

あともう一つ隠している事さえも…

「支えて、手を引いてやらんと立てないか?」

身支度は聖の手によって、整えられていた。ちょっと睨みつけても、聞くはずもなく涼しい顔をしていた。

「自分で立てるわ。本当にほんとに意地悪なのね。

「意地悪?愛情やないか、あないにさせられたのにまだ逝きたりんか?」

「そうじゃなくて、せっかく観覧車に乗ったのに!」

「いい眺めだったやないか、あんな淫らに濡れた顔 他に見せんといて。絢音は俺の奴隷やから。」

もうっと訴えようとしたとこで、観覧車の快楽の夢は終わった。

外の空気が、その夢をはかなく消した。

手を繋いでゆっくり、降りた二人。

支配されだした、身体に驚きつつもなお快楽を期待しだしている身体に戸惑いを感じた。
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