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・辿りつく 先には・
第17章 『距離』
「今まででもそうやって女の人を欲しがって来たの?」

「誰でもいいわけじゃない、今は絢音が欲しい。」

複雑な思いが生まれたが今は黙っていた。与えられた時間は今回は四日間と半日。

時間は貴重で、愛され愛してこの四日間を大事に過ごさないと、とそう思ったからだった。

今は私を欲しいと言ってくれた言葉を、信じなくてはと思った。

車は波に乗り走り、スーパーにも寄って明日以降の食材も買い込み今日の夕食だけは食べて帰る事にした。

すぐにでも帰りたい気持ちを互いに隠し、食事をしていても足の間に足を挟まれる。

それに戸惑いながらも食事を済ませ、車に戻るとまたキスをされる。

離れた後に、恥ずかしくて顔を反らしながら声だけを発する。

「聖は本当にキス魔。」

聖は眼鏡を直しながら、それに答えた。
「一緒にいる間が少しのを分かっていて、その間に触れないなんてありえない。」

言い切られてしまっては、もう何も言えない。ストレートな感情表現をされる事になれていなかった。
「もうすぐ、着くよ。疲れただろう。」

「一日、がかりだったわ。早く出過ぎちゃった。」

車が駐車場に停まる。二階建てのアパートだった。荷物を下ろしてくれて、鍵をあけ中に入るとすぐに階段だった。

「変わった作り、面白いわね。」

「二階は一階から、行く作りだから。」

玄関が狭いから先に上がっ方がいいのかなと一段上がった所で、ぐっと手を引かれ同じ目線で下からキスをされる。

壁に押し付けられ、唇を何度も塞がれ正にキスの嵐の様にそれは続いた。聖も一段、上がってくると見上げる口付けになった。

ワンピースの裾から手が入り、太ももを撫でられると声が漏れる。

「言い付けは、守ったんやな。」

余裕がまた無くなるが顔を反らし、返事をしようとしたら片手で目線を戻された。

「こないに濡らして、期待が大きかったんか?」

ぐちゅりと指の入る音がした。下着を付けずに来るように言われていたからだ。

「下の口が涎、垂らし過ぎや。欲しくてたまらんかったんやな。」
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