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・辿りつく 先には・
第17章 『距離』
アルコールが体内に浸透し、ふわりとした感覚が身体を包んだと思ったがそれは聖の腕だった。
早急に床に押し付けられ、唇は身体から離される事はなく口、頬、瞼と余す事を知らず食べられた。
くすぐったさの気持ちと幸せが湧き、先程の悲しみと苦しみが掻き消される。
心が離れれば全身で引き戻され、そして全てを奪われる。身体も心も。
聖の熱い魂を貰っているのは、今は私だけなのだ。たった一時しかない、この時間を愛で埋め尽くしてくれるこの人を憎み愛した。
可哀相な私の魔王。女を欲しがり、その女達がどれ程この魔王に応えられたと言うんだろう。
深く理解すればする程、この人は哀れで悲しい存在に思えた。
私がしっかりしていよう、そう思えた。聖を愛し、此処まで聖を求めて来たのは自分自身なのだからと。
いつも、いつも自分自身に負けていたのだから今度こそは聖をたった一人でいいその人を幸せにして上げたかった。
男の身勝手な気持ちに振り回され、愛する気持ちを踏みにじられてきた。
男を信用するなど到底、私には難しいのだ。その全てを打ち砕き、私の魂を一瞬にして奪い心の底に沈んでいた愛を引きずり出した。
ならばこの愛を、どこまで続くか分からない誰にも見せた事のない深い深い愛情の全てを聖に与えようと思った。
同じ程、貪欲で狂ったこの魔王に。憎んで愛してるのだから、狂ってしまいたい程に…
身体が、心が本能で叫びをあげている。一生涯、出会う事のない真実の永遠の愛が此処にあったからだ。
触れられる皮膚にまるで、印が残されるように紅い花が咲いた。
一生、消えなければいいのに。そう思い涙が溢れた。
この刻印が、消えずこの魔王が私を永遠に離さなければいいのに…
「聖、聖もっと…もっと印を残して。沢山、沢山、愛してるって言って。」
「愛してるよ僕の絢音。一生、お前は僕の愛奴だ。」
軽々と抱き上げられ、ベッドに組みしかれ覆いかぶされ頭上に両手が上げられた。
何かの音がカシャンと、耳に落ちた。
早急に床に押し付けられ、唇は身体から離される事はなく口、頬、瞼と余す事を知らず食べられた。
くすぐったさの気持ちと幸せが湧き、先程の悲しみと苦しみが掻き消される。
心が離れれば全身で引き戻され、そして全てを奪われる。身体も心も。
聖の熱い魂を貰っているのは、今は私だけなのだ。たった一時しかない、この時間を愛で埋め尽くしてくれるこの人を憎み愛した。
可哀相な私の魔王。女を欲しがり、その女達がどれ程この魔王に応えられたと言うんだろう。
深く理解すればする程、この人は哀れで悲しい存在に思えた。
私がしっかりしていよう、そう思えた。聖を愛し、此処まで聖を求めて来たのは自分自身なのだからと。
いつも、いつも自分自身に負けていたのだから今度こそは聖をたった一人でいいその人を幸せにして上げたかった。
男の身勝手な気持ちに振り回され、愛する気持ちを踏みにじられてきた。
男を信用するなど到底、私には難しいのだ。その全てを打ち砕き、私の魂を一瞬にして奪い心の底に沈んでいた愛を引きずり出した。
ならばこの愛を、どこまで続くか分からない誰にも見せた事のない深い深い愛情の全てを聖に与えようと思った。
同じ程、貪欲で狂ったこの魔王に。憎んで愛してるのだから、狂ってしまいたい程に…
身体が、心が本能で叫びをあげている。一生涯、出会う事のない真実の永遠の愛が此処にあったからだ。
触れられる皮膚にまるで、印が残されるように紅い花が咲いた。
一生、消えなければいいのに。そう思い涙が溢れた。
この刻印が、消えずこの魔王が私を永遠に離さなければいいのに…
「聖、聖もっと…もっと印を残して。沢山、沢山、愛してるって言って。」
「愛してるよ僕の絢音。一生、お前は僕の愛奴だ。」
軽々と抱き上げられ、ベッドに組みしかれ覆いかぶされ頭上に両手が上げられた。
何かの音がカシャンと、耳に落ちた。