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・辿りつく 先には・
第18章 『発見』
「それは一理あるわ。さて、ありがとう美味しかった。行くわ。」

「玄関まで送るわ。」

支度をしてる間に食器を片付けた。

階段を下りるのに、背の高い聖は頭を下げた。一枚、階段の上に光りを入れる窓があったからだった。

靴を履くのに、降り立つ。整い振り返る。段差により、漸く目線が合う。

腰を引かれ唇をまた塞がれた。しっとりとした柔らかい唇。男性なのに、唇の柔らかさが心を緩めて行くのにいつも一役買っているのかなと考えている余裕がまだあった。
ぐっと引き下ろされ玄関に押し付けられた。声が漏れるのを気にしたがずっと唇から唇は離れない。

唇から首筋にキスが移り、片手で口を抑えた。耳元に落ちる声に背中がぞくりとする。

「絢音の香に、ずっと誘われてる。一日中、抱いていたい。僕だけを考え今日を過ごして。」

「聖…声が聞こえちゃ…あっ…」

太ももには既に手が滑りこまされ、キャミソールワンピースの裾を掴むが無駄だった。

「ずっと濡らして、一日いろ。帰ってきたら、また抱いてやる。奴隷らしくな、行って来る。」

掻き回された花園が抜けた指を求め、ひくつき愛液は垂れ太ももを濡らした。

玄関をいきなり開けられ慌てて、ワンピースの裾を下ろす。

それに意地悪な笑みを浮かべながら、すっと手を延ばして来て何をと思っていたら軽いキスを唇に残された。

身を硬直させたのを目にし、口端に笑みを浮かべ行ってきますと離れた。

文句は口の中で泡となるしかなかった。車から手を振り出掛けて行ったのを目に自分も手を降った。

パタンと扉をしめ、唇を指でなぞる。まだ温かい気持ちがして先程の事を思い出し顔が赤らむ。

いつもあんななのかしらと呟きは漏れ、階段を上がる。

とりあえず食器を片付けベッドに横たわった。まだ聖の移り香が残っていた。

包まれて少し眠る事にした絢音。誘いは聖の香。甘いバニラエッセンスは優しく彼女を包んだ。


寝息がゆったりと部屋に広がって行く。
淡い夢への誘い…聖を想いながら…
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