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・辿りつく 先には・
第18章 『発見』
目が覚めて一瞬 何処にいるか分からなかった。見慣れない風景に身体を硬直させ、モーフに移る香りから聖の元に来たのを思い出す。

ゆっくり身体を起こして、携帯を見ると10時を回っていた。喉が渇いて、水を飲みに行く。

台所に立つと、グラスに水を注ぎながら色々と思い出し少し切なくなったあとそうだと閃く。

昨日、手錠をされたと言う事は何か他にも色々出て来るのかもしれないと思ったのだ。

恐る恐るだったが荷物のある所は、クローゼットしかない。ゆっくり扉を、開くと鈍い音がギギィっと鳴った。

静かな部屋に、その音が響いて悪い事をしている後ろめたさからつい階段の方を眺めてしまう。

開かれた扉。昔から、好奇心だけは人一倍あった。洋服がかけられている下に段ボール等がおかれ端にはパソコンを入れる様な大きめのバックがある。

ゆっくりそのバックを引き抜くと覚悟を決めて、中身を見た。そこには、ぞわりとする物が何個か入っていた。

昨日、使った手錠とバイブが上にありとりあえずそれを取り出し横においた後、中からは縄と赤い首輪が出て来た。


他には洗濯挟みや、ローターまで。やっぱりそういう性癖なんだろうと思い相手に分からないように元通りに閉まった。
ちょっと恐怖が湧いた。行為に手錠も、今までの人々からはされた事などなかった。

SMの世界は正に、初めての経験で何が起こるか分からない。ましてや聖の取る行動等、予測不可能だったからだ。

鞄をしまう時に、段ボールの上に何かが乗っていて目が行った。つい手に取ってしまいそれを広げると、どう見ても女物のスウェットだった。

それに大きく溜息をついてから、深呼吸をする。昨日、見てしまった数々の食器やコップ。

此処までやってきて、女達の影に脅かされるのが嫌になる。感情を爆発させたくは無かったが、誰に怒りをぶつけられる訳もない。

握り締めていた、スウェットを手に持ち衝動的に窓を開けそこから外に投げた。
道路にそれは、はらはらと落ちそれと同時に自分の気持ちの何か一つを落とした気持ちもしたのだった。

気持ちが騒めいて、どうする事も出来ない。暫く身体をさすり、ベッドに横たわっていると携帯が目に入ってきた。
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