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・辿りつく 先には・
第3章 『誘惑』
・唇までは見てるのに、絶対 美人さんだと思うから。がっかりなんてする気持ちすらなしなしだよ・
・うわぁ、プレッシャーだから言わないで。美人なんて言われた事ないですから。仕方ないから一枚送りますけど、う~ん。恥ずかしい・

もう、勢いで送るしかないと思い 一枚だけ撮ってあったプロフィール用の仕事関係の人達に、あげるものを送った。名前も付けて。

・あっ 来たよ~ありがとう。今、見ていいの?・

・ええ~あとで~・
・あっ 開けちゃったよ。ずっと気になってなのに待てないよ~ うわっ全然やっぱり美人さんじゃないか。思って通り、目力あるって言われるとか話してたけど本当だね。ただ目が見えるだけで、人の印象って変わるよね~ あぁ、やっぱり惚れてしまうかも笑 ・

それには流石に、返事のしようがなかった。こんな風に言われた事が本当になかったからだ。心がぞわぞわとしていた。始まりの予感はしていたが、自分には一目惚れは存在しなかった。ゆっくりと、一つ一つを見て知って好きになって行くからだった。ましてや相手は、人の大事な人なのだ。だが、昔から好きになり愛してしまえばとことんだから、自分の感情にブレーキをかけないとと考えていた。

・そんな事、言ってもダメですよ。奥様いるんだし、私は確かに仲悪いけど。惚れちゃうなんてしかも信じるようなかわいい年齢じゃないですよ~・

・笑、男は惚れやすい生き物なんだよ。僕は逢ったら色々、我慢するの大変そうだなぁ。そうだ名前、送ったよ。電話番号と。何かあれば~、でも行く前に電話出来たらいいね・

メールを見ると確かに点滅していた。中を開ける。

段々とパソコンの中から現実へと繋がる世界に、不思議さを感じていた。そこには、・神城 聖玲 090~・とかかれていた。

・お名前、珍しいんですね。読み方もくれますか?・

またメールが一通来て・かみじょう たかあき・と書いてあった。かみしろじゃないのも変わってると思ったが名前も、見たことがなかった。
・やっぱり名前も素敵でしたね、韻が綺麗だ。呼びやすいし。声もいいんだろうなぁ、色々想像しちゃうよ・

それに何故か、体が熱くなった。考えられている事への、恥ずかしさなのかその先を考えた自分への 恥ずかしさなのかが計りかねた。
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