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・辿りつく 先には・
第4章 『逢瀬』
あれからバタバタと時は過ぎた。季節は移り変わり、桜があちこちに咲き乱れ絢音の心も騒わついていた。

ホテルが取れたよとメールが来たのは、あのチャットをした次の日だった。

調べてみたら、ビジネスでもちょっとランクの高い所だった。

大丈夫かなぁと心配しつつも、旅行なんて何年ぶりだろうと考えてもいた。

もともと今の、旦那とは遠距離だったので関東に来た時はあちらが寮生活もあり常に旅行をしていた。

なのに結婚してからは、ほとんど行かなかった。実家に帰ると、総出で泊まりがけは気遣いばかりで疲れるだけだった。
だが、本人は自分の家族だ 何が疲れるんだ?楽しそうにしろよまで言われる始末だった。

昔から男を見る目はなかったなと、今更ながらに思う。

だけれど、ついつい世話好きが出て何でも先にやってあげてしまい結果 相手が何もしなくなるパターンだった。

女友達にはみんなに、もっと教育しないと~等と言われたが見た目よりも尽くすのが好きなので結果そうなるのを自分が一番に分かっていた。

ため息を吸い戻した。昔に何か聞いた話しでは、ため息を付くと幸せが一つ消えると。迷信であろうが、何となく今は幸せを一つでも消したくないと思い、笑った。

今の状況では幸せからなど、縁遠いのに。

でも、友人達には助けられ アクセサリーも順調だ。何事も全ては手に入らないならあるものを幸せと思わないと。

そう思ってワンピースを広げた。

「出来た~。いい感じ。」

鏡の前で当てて見る。たまに自分で買ってきた物に、さらに加工をしてビーズをつけたりデザインを変えたりしてみる。

今回は胸元にビーズをあしらい、丈を変えて見た。

春らしい、シフォン地のワンピースが風に揺れた。別にNに言われたから、お洒落をして行こうとした訳ではなかった。
専門学校時代に、もうかなりの大御所の先生が素晴らしい一言を残してくれたからだ。

『お洒落は誰の為にするものじゃない、自己の表現力。自分が気持ち良いと思える格好をして、気分を上げる物です。それを見て、回りの人は楽しそうに服を来てお洒落をしてるなと好印象を受ける。それが一番だから、着る事くらい自由に楽しみなさい。』


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