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・辿りつく 先には・
第4章 『逢瀬』
最後の二日はあっという間に過ぎた。会った時に、緊張してもと言われチャットから電話にまで 切り替わってまでいた。
毎日、遅く帰る誰かに気遣いする事がない為に電話が出来てしまったからだ。

チャットでもかなりの長い時間を共有し、電話になればまるで女友達のように長電話になってしまうのを互いに笑った。
会話が本当に、抱負だった。回りの女友達とは家庭の事や子供の話が中心で、それがきっと普通の事なのだろうが 自分には扱くつまらなく聞こえてしまった。

ファッションのアパレル業界にいたせいもあり、毎日 新しい服は入ってきてお客様も常に変わる。

目まぐるしい毎日を、過ごしてはいたがそれが性格には合っていた気持ちが今更ながらに分かる。

私は本当に実は、じっとしているのが苦手だったのだ。

常に何かをしていたい、病気の時に出来なかった事を今 全部、発散しているのだろうなと感じた。

メールのお知らせが、携帯から鳴り 考え事は泡のようにふわりと水に流れて消えた。

電話をしてくる前には、必ずメールを入れてくれるのも こちらを気遣かっての事だった。

気遣かいされたり、大事に扱われている事に何となくむず痒い思いは消せなかったが、自分が女性としての扱いをされている事は素直に嬉しく思った。

電話の着信音が、心を踊らせている自分を知りどうしても ときめく気持ちを拭えなかった。

「久しぶり、仕事が忙しかったから ちょっとだけ間があいちゃったね。でも、とうとう明日だから。緊張してる?」

「それなりには、でも旅行の方にちょっと心が躍ってる気持ちです。本当に久しぶりだから。」

「そうなんだ、でも僕も出張は久しぶりだしやっぱり環境が変わるのは病気になってからあんまり変わらないように、していたから。今日はなるべく早くベッドに入るよ。」

「そうですね~互いにそうしましょう。でも遠足前の、子供みたく緊張していて眠れないかも。」

それには、笑い声が電話のあちら側から聞こえた。耳が熱い。声は低い訳ではなかったが、時折 耳にする関西弁が聞き慣れない為に新鮮だった。なるべく標準語を気をつけているとは言っていたからだ。
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