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第5章 『現実』

だからこそ、会って話をしてみたいと思ったのだから。

完全に今日から三日だけは、女でいようと思った。

仲の悪い誰かの事を、考えても何一つ変わる事はないし自分の活動の為にはお金も必要だった。

いつも我慢してきたのだから、三日だけは自由に私が私らしくいようとそう思えたのだ。

旅は心を軽くする。重い気持ちを家に置き、外に出た私は晴れやかな気持ちで一歩を踏み出した。

それがこの先の長い長い、愛を見付ける旅になると知らずに…

関東は晴れ、快晴。春の風には桜の香。空色と桃色。私の今の気持ちのようだなと、空はあの人 桃は私。

混じり合う事は無く、ただ存在を確かなものとしてそこにあった。

リアルな世界への繋がり。

魔法の時間。新緑のワンピースが揺れる。心は穏やかだった。