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・辿りつく 先には・
第5章 『現実』
人の騒めきと、溢れる波が久しぶりに外の世界にいるのを感じさせた。

アクセサリーを作って友人達に披露しては売れ、また新しい方を紹介されだと 中々 外に出なくても 仕事は回っていった。

新横浜など、初めて来た場所だった。実家は遠い北国だし、横浜など名前を聞くだけで都会だなぁ 等と思っていたからだった。

待ち合わせまで、まだ時間があるのでちょっとティータイムにしてみた。

気持ちが上下して、落ち着かないからだ。

会ったらこんにちはなのかなとか、それとも新幹線 お疲れ様なのかとか 色々なシュチエーションを想像し笑う。

会った時に自然に、言葉は出るだろうと…

時計を眺め、立ち上がる ふわりとした感覚があったが気持ちを大地に足付けた。
小さめのワインカラーのスーツケースを引っ張る。常に旅行をしてきた時の、相棒のような存在だった。

海外へ行った時の、荷物に貼られるシールが思い出に残っている。

入場券というボタンがあり、それを押して切符を手にするとやはり手の平が熱くなった。

期待と不安、そして情熱の燭が揺らめきながら自分の背中を押した。

iPodから流れる曲で、回りの音を消していた。外の世界の音は、疲れが溜まってしまうから。

感受性が強過ぎて、外は色々なものが視覚からも入るし それを分かる人と一緒でないと気疲れもした。

階段を上がるのは大変だったので、横にあったエレベーターを使う。やはり新幹線 しかも大きな駅にはあるんだなと思った。

地元には新幹線などないし、それを目にするだけでも驚きだった。田舎者まではいかなかったが、あまり変わらないかなぁ等を考えていたら 案内表示盤が点滅していた。

ドキドキが耳にまで響いているような気持ちがして、流石にiPodをしまった。

メールでは8番から下りて来ると書いてあり、その前に立っていた。

恥ずかしい気持ちが頂点に達して、逃げ出したい想いが沸いたのを 必死に堪え新幹線が遠くから入るのを見つめた。

緩いカーブを白い美しい、曲線が光りに照らされている。

あれにNはいる、ドキンと心臓が一跳ね。そして何故か、お腹の下の方も熱い。




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