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・辿りつく 先には・
第8章 『侵略』
口紅を付けたのにと思う間もなく、拭いさられた。隅々まで唇を堪能される。魔王の食事の様に…
上唇をゆっくりとはみ、下唇を吸い上げられた。もうそれだけで、全身の血が煮えたぎる様だった。
今まで感じた事のない体感だった。こんなにも感じやすいのかを、自分自身が驚いていた。
いくら七年近くも男性と何も無かったからといえ、こんなにまで体が反応をした事は無かった。
片方の手は腰に当てられ、片方は頭を抑えられている。唇を離したくても、それは出来なかった。
脳を溶かされてしまうのではと思う程の口付けは、息を吸うのさえ苦しい。
脳に酸素が回らないからか、頭がぼうっとしてきて体の力が奪われる。
それを見逃すはずは無かった。ゆっくりと腰から下に手が降りて行くのが分かっても、もう止める力が出なかった。
全神経は唇にあった。リップ音だけが、静かな部屋に熱を篭らせた。激しく、優しく、甘く体を侵略されて侵されて行く感覚で心は恐怖に包まれた。
だけれどそれを反して、体と唇は魔王の求めるものに堪えていたのだ。
初めて自分から舌を絡めて来たのを感じて、心は笑うばかりだった 。
深い深いキスが、全ての空気を奪い身体中が痺れて来る。
苦しい気持ちの中、どうにもならない程下半身が砕けてしまいそうだった。
目の前が真っ白になる。
恐さが勝って、腕に力を込めて握ってしまった。舌を吸われ、淫靡な音は漏れ恥ずかしさは頂点に達し、体の中心を稲妻が駆け抜けた。
身体を震わす、絢音を強く強く抱きしめ耳元に囁きを残す。
「いい子だ、絢音。キスだけで逝けるなら僕の奴隷に相応しい。愛してるよ…」
まるでそれが繰り返し、言われる洗脳への言葉のように。愛してるは、心に落ちて行った。
体の痺れが抜けるまで、抱きしめていてくれたがどんな顔をしているのかが気掛かりで中々 胸元から顔を上げられなかった。
頭を撫でる手先が指先だけになり、背中を一直線に下へ行くのを感じて身を縮ませる。
上唇をゆっくりとはみ、下唇を吸い上げられた。もうそれだけで、全身の血が煮えたぎる様だった。
今まで感じた事のない体感だった。こんなにも感じやすいのかを、自分自身が驚いていた。
いくら七年近くも男性と何も無かったからといえ、こんなにまで体が反応をした事は無かった。
片方の手は腰に当てられ、片方は頭を抑えられている。唇を離したくても、それは出来なかった。
脳を溶かされてしまうのではと思う程の口付けは、息を吸うのさえ苦しい。
脳に酸素が回らないからか、頭がぼうっとしてきて体の力が奪われる。
それを見逃すはずは無かった。ゆっくりと腰から下に手が降りて行くのが分かっても、もう止める力が出なかった。
全神経は唇にあった。リップ音だけが、静かな部屋に熱を篭らせた。激しく、優しく、甘く体を侵略されて侵されて行く感覚で心は恐怖に包まれた。
だけれどそれを反して、体と唇は魔王の求めるものに堪えていたのだ。
初めて自分から舌を絡めて来たのを感じて、心は笑うばかりだった 。
深い深いキスが、全ての空気を奪い身体中が痺れて来る。
苦しい気持ちの中、どうにもならない程下半身が砕けてしまいそうだった。
目の前が真っ白になる。
恐さが勝って、腕に力を込めて握ってしまった。舌を吸われ、淫靡な音は漏れ恥ずかしさは頂点に達し、体の中心を稲妻が駆け抜けた。
身体を震わす、絢音を強く強く抱きしめ耳元に囁きを残す。
「いい子だ、絢音。キスだけで逝けるなら僕の奴隷に相応しい。愛してるよ…」
まるでそれが繰り返し、言われる洗脳への言葉のように。愛してるは、心に落ちて行った。
体の痺れが抜けるまで、抱きしめていてくれたがどんな顔をしているのかが気掛かりで中々 胸元から顔を上げられなかった。
頭を撫でる手先が指先だけになり、背中を一直線に下へ行くのを感じて身を縮ませる。