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・辿りつく 先には・
第9章 『調教』
食事をしていると、相手の育ちが分かる。箸の持ち方が綺麗だったし、食べる時の姿勢も美しかった。指先を目にして、先程 背中を触られた事を思い出すとズキンと心が波打った。
「所作が綺麗ね、お箸 使い方上手。私は大人になってから直したから~」
「父が厳しかったから、まぁ昔はみんなそうやった。」
「そうね、うちもマナーだけは凄い煩かったもの。」
「でも、所作が綺麗だとやっぱり食事 一緒にしていても気持ちええから 気をつけてはいる。女性でも、肘着いて食べるのは見ていて気分は良くないわ。」
「ああ、分かります。私もそれは気になる~。」
お酒も進むが話も、気負いせず話せたのは相手の緩やかな雰囲気からだと思った。
年上の人と、こんな風に接したのは アパレル時代の上司以外思い浮かべられなかった。
その時も確かに落ち着いて話が出来て、ゆったりだったなと
上司には年の割になんでそんなにしっかりしているんだ?と言われお酒も好きだったせいか良く誘いを受けた。
意識がまたふわりとなると、腿に置かれた手に少し力が入れられたのを感じて驚いて横を目にする。
口端の笑みは、先程のままだ。お酒をゆっくりと口にしていたがその、双眼には自分だけが映っていた。それを目にした瞬間に回りの音の騒めきが、一瞬にして消える…
長い一瞬のような、短い瞬き。
恐くて目をふっと反らしたのを、いつのまにか箸を置いていた右手で顎に指を掛けられ引き戻された。
指先が上からの光りに、照らされ輝いているように見える。お酒や料理を美しく見せる為にライトがあるのだろう、少し上品な店に行くとそんな所があるのを知っていた。
だが声は震えた、何をされるかの期待と不安が落ち着いていた心をいつも波立たせるからだ。
「どうして、そんなに見つめるの。恥ずかしいから見られるのは、苦手って話しているに…」
ふっと笑って、右手だけは戻してくれ またお酒を一口。唇に目が自然と行ってしまい、身体が熱いのをどうする事も出来なかった。
「所作が綺麗ね、お箸 使い方上手。私は大人になってから直したから~」
「父が厳しかったから、まぁ昔はみんなそうやった。」
「そうね、うちもマナーだけは凄い煩かったもの。」
「でも、所作が綺麗だとやっぱり食事 一緒にしていても気持ちええから 気をつけてはいる。女性でも、肘着いて食べるのは見ていて気分は良くないわ。」
「ああ、分かります。私もそれは気になる~。」
お酒も進むが話も、気負いせず話せたのは相手の緩やかな雰囲気からだと思った。
年上の人と、こんな風に接したのは アパレル時代の上司以外思い浮かべられなかった。
その時も確かに落ち着いて話が出来て、ゆったりだったなと
上司には年の割になんでそんなにしっかりしているんだ?と言われお酒も好きだったせいか良く誘いを受けた。
意識がまたふわりとなると、腿に置かれた手に少し力が入れられたのを感じて驚いて横を目にする。
口端の笑みは、先程のままだ。お酒をゆっくりと口にしていたがその、双眼には自分だけが映っていた。それを目にした瞬間に回りの音の騒めきが、一瞬にして消える…
長い一瞬のような、短い瞬き。
恐くて目をふっと反らしたのを、いつのまにか箸を置いていた右手で顎に指を掛けられ引き戻された。
指先が上からの光りに、照らされ輝いているように見える。お酒や料理を美しく見せる為にライトがあるのだろう、少し上品な店に行くとそんな所があるのを知っていた。
だが声は震えた、何をされるかの期待と不安が落ち着いていた心をいつも波立たせるからだ。
「どうして、そんなに見つめるの。恥ずかしいから見られるのは、苦手って話しているに…」
ふっと笑って、右手だけは戻してくれ またお酒を一口。唇に目が自然と行ってしまい、身体が熱いのをどうする事も出来なかった。