この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
・辿りつく 先には・
第10章 『夜伽』
あのあと約束のマッサージをしていたら、少し寝息も聞こえて起こそうか悩んだがそのままにしようかと 脇を立ち上がって 水を取りに行こうとしたら声が背中から響いた。
薄い電灯だけにしていたので、ゆらりと影が動いたのに少しばかり後ずさりをしてしまう。
聖だと分かっていたのに、何故か恐怖を感じた。自分の中の野生的な感が、危険を知らせていたからだ。立ち止まり、間合いを取りながら分からせない様に答えた。
「起こした?気持ち良さそうに寝息が聞こえてたから、寝たのだと思ったわ。」
「いや、うつらうつらしてたわ。夢も見た気がする、水 飲まして 喉が渇いたわ。」
持って来た水を、手渡し しようとして見上げられた。上半身が裸になっていたのを、薄明かりの中に気付いて目を逸らす。マッサージする時に、風呂上がりは暑いからとTシャツを着てくれなかった。
手渡しされた水を取るのではなく、やはり手首を捕まれた。
「飲まして、言うたの 聞こえへんかったか? 後、目を逸らすのも許さへんよ こっち向きぃ。」
ぐっと手首を引かれ顔間近に、体ごと引きずられた。
何故、こんなにも強引にそして相手のペースを崩せるのだろうかと思った。
つらそうな時は逆らわない方が、いいのを何となく感じていたので 渋々と水を含みゆっくり与えた。
「もっとや。」
心でもうっと思っても、言えなかった。
二、三度 繰り返した後は満足したのかキャップを閉めたのを目にしたと同時にまたベッドに引きずり混まれた。
そして、一度 強く強く抱きしめられる。聖の体中から、甘いバニラエッセンスの香りがしてむせ返りそうになった。
その腕から全ての心が溢れ出し、愛していると告げられていた。何一つ、言葉を放ってないと言うのに…
心で会話していると言う事を、体感させられる。
どうしたらいいと言うのだろうか?愛せば楽になるだろう、だがその心を手渡せばもう絶対に自分の全てが奪われる。
それが恐かった。
髪の毛に顔を埋めて、たっぷりと柑橘系の絢音の香りを嗅いだ。身体の中心が痺れ、心の迷いが漣となり感じる。迷えばいい、迷う程に糸は絡まり それを断ち切り心の奥底にある魂を手に入れる時の快楽を知ってしまった。
薄い電灯だけにしていたので、ゆらりと影が動いたのに少しばかり後ずさりをしてしまう。
聖だと分かっていたのに、何故か恐怖を感じた。自分の中の野生的な感が、危険を知らせていたからだ。立ち止まり、間合いを取りながら分からせない様に答えた。
「起こした?気持ち良さそうに寝息が聞こえてたから、寝たのだと思ったわ。」
「いや、うつらうつらしてたわ。夢も見た気がする、水 飲まして 喉が渇いたわ。」
持って来た水を、手渡し しようとして見上げられた。上半身が裸になっていたのを、薄明かりの中に気付いて目を逸らす。マッサージする時に、風呂上がりは暑いからとTシャツを着てくれなかった。
手渡しされた水を取るのではなく、やはり手首を捕まれた。
「飲まして、言うたの 聞こえへんかったか? 後、目を逸らすのも許さへんよ こっち向きぃ。」
ぐっと手首を引かれ顔間近に、体ごと引きずられた。
何故、こんなにも強引にそして相手のペースを崩せるのだろうかと思った。
つらそうな時は逆らわない方が、いいのを何となく感じていたので 渋々と水を含みゆっくり与えた。
「もっとや。」
心でもうっと思っても、言えなかった。
二、三度 繰り返した後は満足したのかキャップを閉めたのを目にしたと同時にまたベッドに引きずり混まれた。
そして、一度 強く強く抱きしめられる。聖の体中から、甘いバニラエッセンスの香りがしてむせ返りそうになった。
その腕から全ての心が溢れ出し、愛していると告げられていた。何一つ、言葉を放ってないと言うのに…
心で会話していると言う事を、体感させられる。
どうしたらいいと言うのだろうか?愛せば楽になるだろう、だがその心を手渡せばもう絶対に自分の全てが奪われる。
それが恐かった。
髪の毛に顔を埋めて、たっぷりと柑橘系の絢音の香りを嗅いだ。身体の中心が痺れ、心の迷いが漣となり感じる。迷えばいい、迷う程に糸は絡まり それを断ち切り心の奥底にある魂を手に入れる時の快楽を知ってしまった。