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祐子の欲望
第1章 祐子の眼力
「有難うございます。私も祐子さんに聞きたい事があります」

「何ですか?」

「祐子さんは私に何を求めてるんですか?」

「単刀直入なに言います。こはるさんの全てを受け入れて、付き合いたいと思ってます」

「付き合うって、どういう関係で?」

「私の彼女になって欲しいんです。渋谷区では同性婚も可能です。私は真剣に考えてます」

「あの……同性の方に好かれて嬉しいんですが、私は祐子さんにお応えできません」

「こはるさんを初めて見て、躰に電気が走ったの。そんなの初めてで、きっとこはるさんとの出会い、何かあると思ってます。あの時こはるさんも、私を見てたでしょ? どうして?」

「祐子さんが見てたから……」

「何か感じるものがあったからじゃない?」

「……」

「今付き合ってる人がいるとか?」

「そんな人はいません。失礼ですが
祐子さんは独り暮らしですか?」

「はい。それが何か?」

「いいえ……」

「ねぇ、こはるさん。もういいんじゃないですか?」
こはるは俯いて手拭いを握り締めてる
祐子はこはるの手の上に手を添えた
こはるの躰がピクッと反応し、肩を落とした

「私ずっと学生の頃から女の子が好きだったの。だから男性経験がないのね。でも、女の子に声も掛けられず付き合った事ないの。そんな私が、こはるさんに声を掛けたの。自分でも驚きだわ。そんな私をこはるさんが変えてくたのよ」

「私は何もしてません」

「自覚がないだけ。私を変えてくれたのは事実だから。だから、私もこはるさんの力になりたいのよ」

「……私、お金が必要で、その……風俗で働いてるんです」

「そうなの」

「お金な為に躰売ってるんです。軽蔑しますよね」

「どうしてお金に困るようになったの?」

「付き合ってた人が借金作って逃げられました」

「よくある話だけど、それでいくら借金残ってるの?」

「やっと残り1500万になりました」

「いくらあったの?」

「2000万です」

「500万をどれくらいの期間で返したの?」

「1年半掛かりました」
こはるの苦労話に祐子は涙を流し、無言でこはるの肩を抱いた

「私と結婚して下さい。それならこはるさんだけの借金じゃなくなるでしょ?」

「そんな事できません」

「貴女の全てを受け入れるって言ったでしょ?」

「それとこれとは話が違います」
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