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残像
第3章 囚われの生活
ただ、肉欲の捌け口として、この、ガマのような主人に抱かれ続けるのだ。

舞台に立つ必要はない。
芸の稽古も、もうしなくても良かった。

尻を使われるのはもう慣れた。
数をこなせば痛みも少なくなった。
抱かれたいとは思ったことは一度もないが、身体は愉悦を感じる。
愉悦には、痛苦を和らげる効能があると聞く。
ヒトの身体とは能くしたもので、愉悦を感じることで痛苦に耐えられるようになるのだ。
それが無ければ、慣れる前に壊れてしまうだろう。
身体が疼く、というようなことはないが、嫌だとも思わなかった。

ただ、口を使われるのは苦手だった。
顔が見られるから、髪を掴まれ、上を向かされて、もっと嬉しそうな顔でしゃぶれ、と言われても、美味くもない欲の塊を口に突っ込まれ、喉の奥を突かれて吐き気を催すだけで、ただ苦しく、演技は難しかった。

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