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残像
第3章 囚われの生活
食事は日に二度、格子の下の隙間から差し入れられる。

隙間は巾二尺程、高さは三、四寸と言ったところか。辛うじて腕は出せても、抜け出すことはできなかった。

昼間は日がな一日することもなく、狭い座敷牢に囚われの身。
夕刻に一度、座敷牢の格子戸から外に出され、風呂に連れて行かれる。が、風呂の格子窓は、はめ殺しでビクとも動かないし、扉は外から閂がかけられ、やはり逃げ出すことはできなかった。
風呂の時はやはり腹の中を洗うよう教えられた。

風呂が済めばまた座敷牢に戻され、上の開口部があくまで何もすることがない。


ぼんやりしたり、眠ったりするにも限度がある。

座敷牢自体は年期が入っていて、己の為に設えられたとは考えにくい。

与えられた着物も誰かが着ていたと思われるものだった。

此処に、囚われていた者はどうしたのだろう。

そう、ふと考えた時、部屋の隅に、何かが書かれているのが見えた。


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