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残像
第3章 囚われの生活
八尋は辛うじて字が読めた。
難しい漢字などは読めなかったが、生きていくに困らない程度の読み書きは出来た。芸の筋を覚えたりするのと一緒に、大人の芸人が戯れに教えてくれた。

隅には、この地獄も明日で終わり、と書かれていた。
他にも、痛い、嫌だ、辛い、外に出たい、というようなことがたくさん書かれていた。
することもなく、愚痴をこぼす相手すらおらず、気がおかしくなりそうな静寂の中、この文字をしたためた者がいる。

それは、己と同じ立場の者なのだろうと思った。

そして、その者は、何処かに行った。

何処に…?

死んだのだとしたら、死ぬ者が明日で終わりなどと書くか?

自ら命を絶ったのであればそれも考えられたが…

後は…主人に飽きられ、暇を出されたとも考えられる。

いや、稚児趣味なのだから、成長すれば…大人の男になればお役御免になるのではなかろうか⁉︎

だとすると得心が行く。

いつか、自分も役目を終える時が来る…

それがいつかは分からないが…いつか必ず…
それは、出口のない暗闇に光る、たった一筋の、微かな光明だった…





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