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残像
第4章 脱走
小屋に着いたのは深夜だった。
布団ひとつないその床に、二人で転がって眠る。

翌朝、男が着物を出してきた。
八尋の着物は女物だったから、男物を着ろということらしかった。着物を脱ぐと、八尋の腰巻を見て、男は複雑な顔をし、何やら長い白い布を出してきた。

「新(さら)じゃねぇけどちゃんと洗ってっからよ」

と渡される。それが何をするものかわからず、手に持ったままぼんやりしていた。

「お前、真逆下帯の締め方もわからねぇのか?こうやんだよ」

ぐい、と腰巻を外された時、ピタリと男の手が止まる。

男は顔を顰め、一言。

「これは…あの狸ジジィの仕業か」

と呟く。
これ、というのは…傷の事だろう。やはり無いのは異様なのか。
八尋が頷くと、男は苦虫を噛み潰したような顔で、

「クソが…!」

と、歯噛みした。
男が機嫌を損ねた理由が解らず、八尋はビクリと肩をすくめた。

男はすぐに元の顔に戻り、八尋に着物を着せると、小屋の中で粥を炊いて、干した魚を焼いて食べさせた。

「お前、名は?」

「八尋」

「八尋か。俺は市九郎だ。」
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