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残像
第5章 陽炎
「いいか。もういっぺん言う。俺はお前にこんな事させる為に拾ったんじゃあねぇ。今まではいいように使われてきたんだろう?ならもうそんなんは終いだ。これからは、本当に好いたヤツにしてやれ。男でも女でも、それは構わんがよ、俺は男とこういう事する趣味はねぇ。」

八尋はしゅん、と項垂れた。

本当に好いた相手。

そんなもの、できるかどうかわからない。

女に惚れたところで、この身体では満足させてやれぬだろう。

ならば、今。
市九郎になら抱かれてもいい。
この方が望むなら、何をされてもいい。
この身体を、好きなように使ってくれて構わない。

この方の、悦ぶ貌が見られるのなら、それこそ本望。

だが、男に興味ないと言われたら…引き下がるしかなかった…
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