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第5章 陽炎

そんな時、引っ込み女というものがいることを知る。

引っ込み女とは、下働きとして事前に屋敷に潜り込み、中の情報を探って 仲間に渡したり、実際押し込む、となった時に中から手引きする役目の女のことだ。

それなら、自分にもできるかもしれない。
女物の着物を着、髪を結いあげて紅でもさせば、女に見える自信はあった。

それを市九郎に提案すると市九郎も承諾してくれた。