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残像
第6章 初恋
赤猫が陽炎の仕事に加わることになり、手裏剣を教えることになった。

そうして話す機会も多くなった。

二人で話していた時、赤猫が溜息をつき、八尋を美しいと言った。
常に蔑まれてきた。己に向けられる顔は、蔑み、憐み、そうでなければ欲の捌け口としてしか見られてこなかった。穢れたこの身を美しいと言われたのは初めてのことだった。

そして、自ら進んで話したことのない過去を全て話した。赤猫は、私と同じだね、と泣いた。

綺麗な涙を流しながら、八尋の身体を抱いた。

男の身体を持たぬ八尋は女と懇ろになることもない。
初めて触れる、柔らかい女の身体。
知らず、赤猫の着物に触れ、合わせを開き、白い肌を露わにした。
赤猫は突然のことに驚き抵抗すらしなかった。

しっとりとした白い肌。
喉元、首筋から肩、鎖骨、乳房。
初めて見るそれはまるで一幅の絵のように美しく、思わず指先でそっと触れる。

指の動きを辿るように、体温が上がって肌が朱に染まる。その様子も、美しかった。
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