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残像
第2章 記憶
八尋も、腹の中を洗われたのだ。

そして尻に油を塗られる。

連れて行かれた先には、大人の男がいた。

はぁはぁと荒い息で八尋に抱きついてきて、後ろを向かせるといきなり着物を剥ぎ取られ、尻に何かを突き刺された。
痛みと衝撃。
何をされているのかすら分からない。
ただ、いつもの折檻とは違う、と思った。

芸ができず、座長に折檻される時、座長はしかめっ面をしている。

あの人が笑うのは金勘定の時だけさ。
と誰かが言っていた。

だが、今己の背後にいる男は、はぁはぁと荒い息の中、嬉しそうに八尋の背に頬擦りをしてくる。
じょりじょりと、髭が当たって不快だった。
汗かよだれかわからぬもので背中が濡れる。
どのくらい経ったのか、痛みに感覚が麻痺してきた頃、一際深く刺し込まれて、中が熱くなる感覚があった。
ずるり、と尻から抜き取られると、尻から何かが漏れる感覚がした。
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