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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第21章 【二十一話】直接対決
     □ ■ □

 景臣に声をかけられてようやく動けるようになった玲那は、車に乗って景臣所有のマンションへと戻った。
 一度部屋に戻って着替えると、だいぶ気持ちが軽くなった。
 そして、先日訪れた定食屋で少し遅いお昼ご飯を食べた。
 あんな出来事があったから食べられる訳がないと思ったけれど、料理が目の前に出てきたらお腹が容赦なく鳴り、食べることができた。

 ご飯は美味しく食べられたが、景臣と二人きりの部屋に帰ると、先ほど言われた言葉を思い出して、いたたまれない気持ちになった。
 玄関先で立ち止まっていると、後ろの景臣に無言で押されたため、玲那は諦めて靴を脱いで中に入った。
 靴を脱いでホールに立った、まではよかった。
 ふと部屋の中を見て、玲那はどこにいればいいのか分からなくて、呆然とした。
 筒宮の屋敷であれば、自分の部屋や温室、それにピアノ室、図書室と居場所があった。だけどここは玄関入ってすぐのこの部屋と、寝室のみ。
 LDK部分は広いとはいえ、それでも一目ですべてを把握できるくらい。
 玲那はどこにいればいいのかと思案していると、景臣が後ろから抱きしめてきた。その温もりにどきりとする。

「お疲れのようですね」

 と、玲那の好きな、少し低くて艶のある声で耳元に囁かれてしまうと、無意識のうちに身体から力が抜けてしまう。

「ベッドの上でマッサージをしてあげましょう」

 景臣の言葉にいろんなものを含むのを知っておきながらも、自分の居場所のなさを払拭したくて、玲那はうなずいた。
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