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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第22章 【二十二話】玲那の居場所
 景臣はそう言って、玲那の顔を一度、じっと見つめた。玲那は景臣の黒に近い焦げ茶の瞳を見つめていると、好きだと口にしてしまいそうになる。
 玲那は景臣と契約をすると決めたとき、景臣には自分の気持ちを伝えないと心に決めた。
 景臣は、玲那ではなく、筒宮の名と血がほしいだけであり、それを持つのが玲那でなくても条件さえあえばだれでもよかったと認識していた。
 玲那自身は、両親には悪いが、景臣が好きでそばにいたくて結んだ契約だ。だけど景臣は違う。
 金で買った女から好きだと言われても、景臣は嬉しくないばかりか、金の無心をするために好きと言っていると思われてしまうだろう。
 しかも景臣は、金のために身体を投げ出した馬鹿な女と玲那のことを思っている節がある。
 玲那はこうなる前から景臣のことが好きだったけれど、それはもちろん、伝えられることではなかったし、伝えていない。だからといって、今になって伝えても、お金のために言っていると思われてしまう。それは本意ではない。
 だから玲那は、景臣に自分の気持ちを伝えないと心に決めた。

「世間であなたのことをなんと呼んでいるか、知っていますか」
「……いえ」

 と景臣には答えたが、玲那は知っていた。
 玲那自身はそういうつもりではなかったのだが、結果的に一人でいることが多かったため、お高く止まっているだとか、下々のものとなれ合いは好まないだとか、そういったことを言われているのを耳にした。玲那も好きでそういう状況になったわけではなく、どうすればいいのか分からなくて、気がついたら孤立していただけなのだ。
 玲那は自分が人付き合いが得意ではないと自覚していた。改善しようとしたけれど、どうすればいいのかやはり分からなくて、だけど一人でいることは別に苦痛ではなかったので、結局、一人でいることを選んだ。

「かぐや姫、と」
「かぐや姫……?」
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