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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第29章 【二十九話】人の命の儚さ
小牧を前にした景臣は玲那に対するときよりも気安い感じがして、羨ましくなる。だいぶ砕けてきたとはいえ、意識的なのか無意識なのか、未だに敬語混じりなのが玲那は気になっていた。
「ということは、玲那さんになにか不都合が生じているということかい?」
「景臣だよ? 生じてない方がおかしいよね?」
それはそれでひどい言いぐさではあったが、当たらずとも遠からずではある。
とはいえ、具体的な内容は玲那の口からとてもではないが言えず、口を閉ざすしかなかった。
「小牧くんはなにかを知っていると?」
「知ってるもなにも、ぼく、暇じゃないのにパシリにされてるからね」
「君も相変わらず、景臣には甘いんだね」
「ぼくは景臣の兄だからね!」
「……こんな軽い兄を持った覚えはない」
と景臣がぼそりとつっこみを入れれば、小牧は大げさに仰け反った。
「そりゃあ、泉生と違って軽いけどさ、いとことして、放っておけないじゃん?」
「…………」
イズキと聞き慣れない名前が出てきたが、それはだれだろう。
ここは聞くべきなのか否かと玲那が迷っていると、景臣の父が口を開いた。
「詳しい話は小牧くん、後で報告するように」
「はぁい」
「それと、籍はまだ入れてないよな?」
「道弘さまの四十九日が過ぎてからというお話でしたから、まだです」
「うむ、それならいい。それで、景臣」
名を呼ばれた景臣は玲那の背後に立ったままじっと父を見下ろしていた。
「ここしばらくうちに帰ってないようだし、筒宮家にもいないようだが、どこにいる」
「どこ、と言われましても」
「ということは、玲那さんになにか不都合が生じているということかい?」
「景臣だよ? 生じてない方がおかしいよね?」
それはそれでひどい言いぐさではあったが、当たらずとも遠からずではある。
とはいえ、具体的な内容は玲那の口からとてもではないが言えず、口を閉ざすしかなかった。
「小牧くんはなにかを知っていると?」
「知ってるもなにも、ぼく、暇じゃないのにパシリにされてるからね」
「君も相変わらず、景臣には甘いんだね」
「ぼくは景臣の兄だからね!」
「……こんな軽い兄を持った覚えはない」
と景臣がぼそりとつっこみを入れれば、小牧は大げさに仰け反った。
「そりゃあ、泉生と違って軽いけどさ、いとことして、放っておけないじゃん?」
「…………」
イズキと聞き慣れない名前が出てきたが、それはだれだろう。
ここは聞くべきなのか否かと玲那が迷っていると、景臣の父が口を開いた。
「詳しい話は小牧くん、後で報告するように」
「はぁい」
「それと、籍はまだ入れてないよな?」
「道弘さまの四十九日が過ぎてからというお話でしたから、まだです」
「うむ、それならいい。それで、景臣」
名を呼ばれた景臣は玲那の背後に立ったままじっと父を見下ろしていた。
「ここしばらくうちに帰ってないようだし、筒宮家にもいないようだが、どこにいる」
「どこ、と言われましても」