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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第30章 【三十話】収骨
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 散骨してほしいというのが故人の願いだったと伝えれば、骨の粉なのか灰なのかわからないものを別に準備してくれた。
 骨壺は景臣の父が預かるということで、玲那と景臣は散骨用の骨を預かった。

「ぼくは伯父さんと事務所に帰るよ。遺言書の件は、ぼくから景臣に連絡するから、玲那さんをきちんと連れてきてね」
「……分かった」
「親父さまには同棲なんて言ったけど、どう見ても今の状況は拉致監禁だよ」
「外には連れて出てる」
「でも、実質的に景臣が側から離さないのだから、精神的監禁だよね」
「…………」
「今はけなげに従ってくれてるけど、こんなことが続くとさすがに離れていくよ」

 小牧の忠告を玲那は聞くともなく、雲一つない青空を見上げていた。
 梅雨入りをして、ここ数日はどんよりと曇っていたのに、今日はこの時期にしては珍しく青い空がまぶしい。

「君はまた、あの過ちを繰り返すの?」
「そのつもりはない」

 小牧のその一言に玲那は空から二人に視線を移した。
 景臣は玲那に背を向けているために表情は見えないが、小牧は渋面を浮かべて景臣に苦言を呈していた。

「ぼくもまた、あんな痛々しい姿は見たくないよ」
「俺も一緒だ。枕元で喚かれるのはあのときだけで充分だ」
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